倉庫業登録は、一度取得すれば終わりというわけではありません。むしろ、そこからが事業のコンプライアンスを維持するためのスタート地点です。役員の交代、商号の変更、倉庫の増改築、そして事業承継やM&A——。事業活動を続けていく上で発生する様々な変化に対し、倉庫業法は都度、適切な手続きを求めています。

これらの手続きを怠ると、最悪の場合、行政処分や登録取消しといった事業の存続に関わる重大なリスクに発展する可能性があります。「知らなかった」「担当者が忘れていた」では済まされないのが、許認可管理の厳しさです。

本プランは、既に倉庫業を営む事業者様が、煩雑な法務管理から解放され、安心して事業に集中できるよう、登録後のあらゆる手続きを継続的にサポートするものです。

【要注意】手続きの種類は「変更の大きさ」で決まります

登録内容に変更が生じた場合の手続きは、その内容の重要性に応じて、大きく2種類に分かれます。この区別を誤ると法令違反となるため、注意が必要です。

① 変更登録(着手「前」の許可が必要)

事業の根幹に関わる重要な変更を行う場合は、事前に運輸局の審査を受け、許可を得る「変更登録」が必要です。これは倉庫業法第7条第1項に定められています。

  • 対象となる主な変更:
    • 倉庫の新設、増築、大規模な改修
    • 保管する物品の種類の大幅な変更(例:普通倉庫を危険品倉庫にする)
    • 倉庫の種類の変更(例:1類倉庫にトランクルーム機能を追加する)
  • 注意点:新規登録とほぼ同様の審査が行われ、完了までに約2ヶ月の期間を要します。工事の着工や営業計画は、この審査期間を見越して、余裕をもって進める必要があります。

② 軽微変更届(変更「後」30日以内の届出)

上記以外の軽微な変更については、事前の許可は不要ですが、変更が生じた日から30日以内に「軽微変更届」を提出する義務があります(倉庫業法第7条第3項)。

  • 対象となる主な変更:
    • 会社名(商号)や本店所在地の変更
    • 役員の就任・退任
    • 倉庫の名称変更
    • 倉庫の用途廃止
    • 構造耐力上支障のない軽微な修繕
  • 注意点:「事後でよい」と後回しにしているうちに、30日の期限を徒過してしまうケースが散見されます。期限を過ぎてしまうと、行政への報告義務違反となります。

これらの手続きを怠った場合、倉庫業法第21条に基づき、営業停止や登録取消しの対象となる可能性があります。

事業承継・M&Aにおける倉庫業の地位承継

経営者の世代交代やM&Aによる事業再編においても、倉庫業の許認可は自動的に引き継がれるわけではありません。法的なスキームに応じて、適切な承継手続きが必要です。

譲渡・合併・分割の場合(倉庫業法第17条、第18条)
M&Aなどで第三者に倉庫事業を譲渡したり、会社合併・分割によって事業を承継させたりする場合、「地位承継」の手続きが必要です。特に、倉荷証券を発行している「発券倉庫業者」の場合は、事前に国土交通大臣の「認可」を得なければならず、譲受側の資力や信用も厳しく審査されます。専門家の関与なくして円滑に進めることは困難です。
相続の場合(倉庫業法第19条)
経営者が亡くなり、ご親族が事業を引き継ぐ場合も、相続による「地位承継の届出」が相続開始から30日以内に必要です。この届出を怠ると、登録が失効してしまうリスクがあります。

私たちは、M&Aの初期段階における法務デューデリジェンスから、スキームに合わせた最適な承継手続きまで、お客様の事業承継を法務面から強力にバックアップします。

意外と忘れがち?「四半期ごとの定期報告」の作成・提出代行

倉庫業者は、事業年度とは別に、定期的に倉庫の稼働状況を行政に報告する義務があります。これは倉庫業法施行規則に定められており、担当者様にとっては意外と負担の大きい業務です。

  1. 期末倉庫使用状況報告書(四半期ごと)
    3ヶ月ごとに、倉庫の所管面積のうち、受寄物・自家貨物・空きスペースがそれぞれどのくらいの面積を占めているかを報告します。
  2. 受寄物入出庫高及び保管残高報告書(四半期ごと)
    品目ごとに、3ヶ月間の入庫量・出庫量・期末保管残高をトン単位で集計し、報告します。

行政書士法人シグマでは、これらの定期報告書の作成・提出代行も承っております。顧問契約による継続的なサポートのほか、繁忙期のスポット対応も可能です。

「法務部のアウトソーシング」としてシグマをご活用ください

日々の事業運営の中で、刻々と変化する法務要件をすべて把握し、遅滞なく対応し続けるのは容易ではありません。私たちを貴社の「法務部のアウトソーシング先」としてご活用いただくことで、様々なメリットが生まれます。

    • 継続的なコンプライアンス管理:役員の任期管理や、法改正の情報提供など、潜在的なリスクを未然に防ぎます。
    • かかりつけ医としての迅速な相談対応:倉庫設備の老朽化に伴う改修計画など、事業計画の初期段階から法務的なアドバイスを提供します。

全国対応のネットワーク:本社が東京でも、九州や東北にある倉庫の増設・変更申請に、私たちの全国ネットワークを活かして対応可能です。

よくあるご質問(変更・管理編)

Q:倉庫の壁を塗り替えたり、照明をLEDに変えるだけでも届出は必要ですか?
A:建物の主要構造部(壁の構造体力など)に変更がなく、美観や省エネを目的とした軽微な修繕であれば、届出は不要な場合が多いです。ただし、例えば照明の変更に伴い大規模な電気工事が発生し、防火区画に影響が出る場合などは届出が必要となるケースもあります。判断に迷う場合は、工事着手前にご相談ください。
Q:役員が変わったのをすっかり忘れていて、半年経ってしまいました。どうすればいいですか?
A:発覚後、速やかに届出を行う必要があります。その際、なぜ遅れたのかを説明する「始末書」等の添付を求められることがあります。最も危険なのは、発覚後も放置し続けることです。誠実に対応することが重要ですので、まずはご相談ください。
Q:別の行政書士事務所で新規登録をしましたが、今後の変更手続きだけをお願いすることはできますか?
A:はい、もちろん可能です。過去の申請書類や建物の図面など、お手元の資料をお預かりし、現状を把握した上で、必要な手続きを代行いたします。セカンドオピニオンとしてもお気軽にご利用ください。

倉庫業登録の維持管理は、事業の信頼を守るための重要な業務です。スポットでのご依頼から、継続的な法務顧問契約まで、お客様のニーズに合わせたサポートプランをご提案いたします。

行政書士法人シグマでは、倉庫業登録や物流法務に関するご相談を承っております。自社倉庫の要件確認や手続きの進め方に不安がある方は、お気軽にご相談ください。